美勇伝の道

『スイートルームナンバー1』。
これは名盤だと思います、やっぱり。
いろいろな意味で丁寧に作られたアルバムだという感じがするんです。


まず理由の1つとして、モーニング娘。『愛の第6感』や後藤真希『3rdステーション』のような、一連のテーマ性があるコンセプトアルバムというのが挙げられると思います。
そういう場合アルバムに先駆けて発売されているシングル曲が邪魔をするということがありますが、それがないように思えます。まあ僕の場合あまりシングル買ってないし、美勇伝を始めからタイムリーに応援してきたわけじゃないのでシングル曲に対しての思い入れが少ないだけかもしれませんが、最初から最後まで非常にすんなりと流れていきます。


それにアルバム曲が素晴らしい。
これは発売前『ちゃんチャミ』で聴いた時からよかったですが、改めて全曲CDの音源で聴いてみるとやっぱりいい。なんたって各曲とも色がある。どれも個性的でいろんな方向を向いてて、楽しいです。
特に『唇から愛をちょうだい』『パジャマな時間』なんかは歌い方にも新たな試みが見えるし、単に楽曲的な試みだけではないところが素晴らしい。歌で何かを伝える人間として幅が広がるっていうのもありますしね。ごっちんの『エキゾなDISCO』も然り。 


あと、美勇伝って「全力投球だな」って感じがするんですね。
こんなこと言うのは良くないかもしれないんですけど、美勇伝って注目度から言えばハローの中でもあまり高い方じゃないと思うんですよ。一般から見ると余計「何それ?」ですし。後藤真希ファンの僕の友人Y氏すら、僕が「美勇伝のさー」って話すると怪訝な顔するので「モーニングの石川梨華のね・・・」なんて説明するわけです。


しかしそんな環境の中でも、彼女たちが手を抜いてないことがわかるんです、アルバムを聴くと。アルバム聴いてそういうこと感じれるっていうのはすごいことです。だってただの1枚のCDですよ?でもそのCDから、美勇伝の3人の顔が見えるし思いが伝わってくるんですよね。少なくとも僕はそう感じます。


ハローのメンバーはみんな、全力投球してますけど。
でもこのアルバムには特にそういう印象を受けました。


『スイートルームナンバー1』。
美勇伝の「今まで」積み上げたもの、「今」表現できること、そして「これから」の3人。
このアルバムには、それがめいっぱい詰まってます。