『スイートルームナンバー1』レビュー

complicite2005-10-30


長文ですー。
美勇伝のファーストアルバム『スイートルームナンバー1』の感想とか。

  • 『チェックイン』

「Welcome to No.1 Hotel!」


さあ小芝居から始まりましたよ(笑)この衝撃は『3rd-LOVEパラダイス』以来。

  • 『カッチョイイゼ!Japan』

ホテルにチェックインした3人。ガヤガヤしたロビーを突っ切りエレベーターホールへ。様々な国の人たちの姿が見え、「とうとうここまで来たね!」という感動とこれからの期待が膨らむ。「一緒に行こう!」


既発のシングル曲の中で、僕的にいちばん「これどうすんだろ・・・」と心配してた曲。シングルリリース時にすら驚かれたあまりに濃い曲ですからね。流れを分断しないか心配でしたが、結果的に吉。頭に持ってくる配置は続く曲への弾みになりましたね。
そして「ようこそ」の気持ち。美勇伝からこのアルバムを聴いているすべての人たちへの感謝の気持ちがここにある。冒頭から最高にいい気持ちで盛り上がってきます。
僕の最近の朝の一曲目はこれ。眠気が吹き飛びますね。勇ましいリズム勇ましい歌声。

扉を開ければそこは豪華なスイートルーム。ひとつひとつに細やかな気配りと愛が感じられ、とても居心地がよさそうでホッとする空間。振り向けば他の2人も笑顔。「ほら、楽しいね!」


勇ましい1曲目の次は、とてもアイドルっぽい曲。コーラスがそれに拍車をかけてます。
つんく兄さんの歌詞がめちゃくちゃ韻を踏みすぎてて、わけのわからない内容になってますが(笑)歌詞にもあるとおり「表現にルールはない」からいいんです!曲調やAメロの歌詞に反してサビの部分の歌詞は直球、かつ、深い。こういう表現をしておかしくないところが、モーニング娘。をはじめハローの面々のいい部分であります。美勇伝の3人も真面目で素直だから、ストレートな歌詞もストレートに響きます。
元気が出て+ホッとして+楽しい歌。

一息つき「街に出かけてみよう」と思ったら、雨が降ってきてしまった。急に降り始めた激しい雨、窓の外の風景。いそいで屋根の下に避難する人や恋人が開いた傘に入る人たちが見えた。「あ・・・」昔の思い出がよみがえって来てしまう・・・あの頃も長い長い雨の時期だった。「いつまでもいつまでも忘れないよ・・・」


3枚目のシングル曲はアルバム中最も切ない曲だと思います。シングルでも買ったほどのお気に入り曲です。細かく刻むようなリズム、繰り返される言葉、畳み掛けるボーカル。激しい雨と風のなか切ない想いも増していく様子が思い描けます。恋愛においてこの歌詞のタイプの終わり方した人にはホント堪らないでしょうね・・・。僕はないですけど(笑)感情移入すると死ぬほど切ない!

雨は降り続く。思考は続く。意地を張ってしまった自分。あのときから心にポッカリ開いた穴は埋まらないまま・・・。誰かに埋めてほしい、それはあの人ではない誰かだろうか?良く効く薬があればいい。「今も愛してるのに」


美勇伝のデビュー曲。僕これ好きなんですよね。懐かしい曲調でなんか知らないけど「タッチ」を思い出します(笑)はたけさんが作曲ってことなんですけど、同じはたけ作曲の後藤真希『BLUE ISLAND』も好きで、これも少し懐かしい感じがするんですね。なんででしょ。
恋を引きずる歌声は『紫陽花〜』とセットで切なさ2倍。ここらへんではあまりの切なさにアップアップしてます、僕(笑)

  • 『Tea Break』

気分転換にはお茶をしましょう、ホテルのなかのカフェで。この3人でいると話題は尽きない・・・不思議なもの。昔の思い出なんてきっと忘れられる。盛り上がって盛り上がって、もうこんな時間!「ええ!?マジなのー?」


この間の『ちゃんチャミ』でもかかっていた曲。ディスコティック?な曲調に合わせて女の子独特のトークが繰りひろげられています。『Tea Break』というタイトルから、当初もっと穏やかでマッタリした曲を想像してたんですけど、意外と激しかった。これはこれで女の子のかしましい部分を表していて面白いですけどね(笑)切ない続きで苦しかったのが小休止できます。

  • 『ひとりじめ』

次にこのホテルに来る時は、新しい彼と来れたらなんて。3人でそんな話をして笑う。この3人でもすごく楽しいけど、もしその時が来たらまだ見ぬ彼をひとりじめにしたい。「あなたの視線カラダ中に感じて」


また切ないこれ(笑)せつな死にしますよ、そろそろ。
決して叶わぬ片想いの恋の歌。地味といえば地味ですが、地味なわりには耳に残る曲。けっこうずっと頭のなかで回ってるんですよね。4枚目のシングルなので、美勇伝の3人は歌の表現の腕を上げてきていまして、その切なさが心にズシッと来ます。

彼とレストランにディナーに行ったら・・・きっとそれは幸せな時間。ドキドキハラハラしちゃうような2人の恋だけど、それがまた幸せな未然形の恋。たっぷりのお野菜、ステーキ、ちょっとお酒も飲んでみたり・・・なんて考えてたらお腹が空いてきた。「くらくらしちゃうわ、私・・」


アルバム中もっとも可愛らしくて平和な気持ちになれる曲。3人もお気に入りの1曲であります。
歌詞はつんく兄さんがその才能を爆発させていまして、ホントなんでこんな歌詞書けるんだろ37歳男性独身が!ふだん攻撃的な歌が多い美勇伝も、ここぞとばかりキュートに歌っています。特に梨華ちゃん。叶いません彼女には!
この曲のバックのクラップですが、ファンはこれをライブでやればいいんですよ。変なヲタ芸なんて覚えずに。もっとも美勇伝は大人しいファンが多いみたいですけどね。ひとつライブで一糸乱れぬクラップを打って、3人を驚かしてみてはどうでしょう?きっと喜んでくれるよ3人とも。

ディナーの後は夜の時間。恋人たちの時間。これからどうする?まだ触らせてあげない「意地悪な私」


アルバム発売の月と同じ月に出た最新シングル。その煽りを食って売れ行きが・・・。でもこのアルバムの流れで聴くと、地味なこの曲も個性が出てきます。
リーダー曰く「あ、女の人ってこういう気持ちになるんだ」という、燃え上がる恋心に相手を翻弄し翻弄される女性の複雑な心理を描いた詞の内容。3人の声が折り重なるようにして入ってきているのが、ヒラヒラと立場が変化する恋の駆け引きの様相をうまく表現しています。うん、やっぱり秀作じゃないか。
ちなみに三好ちゃんがこの歌詞に隠されたのつんくさんの意図を見破ったのは、エロイから(笑)

  • 『唇から愛をちょうだい』

この部屋で彼と2人きり。あなたと過ごす初めての夜。このまま朝までもいつまでも一緒にいたい。愛情を示す時は「唇から愛をちょうだい」


アラビアンなイントロで始めるこの曲。かなり激しい曲になっていまして、歌のテイクも少し外したりかすれたり乱れたりしたままが使われていて、これはつんくさんの意図だと。この方が勢いが出て伝わってきますね、ナイス判断!梨華ちゃんなんか、こんな攻撃的な歌い方は聴いたことないってなくらい。ライブでのどを潰しやしないか心配です(笑)曲終わりがフェードアウトで終わるのもいいです。
歌詞はエロイかと思いきやそうでもなく、夢と愛の両方を歌ってる感じ。夢を叶えるために忙しい毎日と、そのなかで安らぎを得られる愛とを歌った曲。

  • 『パジャマな時間』

なーんて、そろそろ寝る時間。異国の夜空を見あげれば星が流れる。1、2、3・・4つ。流れ星に願うことは、「あなた」に会いたい。「会えない日々が愛を深くする」



声楽的な歌い方を取り入れた、新境地の部分があります。後藤真希が『エキゾなDISCO』のウィスパーボイスで新境地を開いたのと似てますね。ピースフルな歌詞、ピースフルな曲調。梨華ちゃんが言っていたように寝る前に聴くとグッスリですよ。
梨華ちゃんの声はやっぱり天使の声ですわ(笑)ソプラノ部分は岡やんでしょうか?頑張ってますよ。ぜひ生でも聴いてみたい一曲。

  • 『まごころの道』

「あなた」それは「まごころに包まれている人々」。会えない日が続いてもその心は届いている。くれた勇気に背中を押され3人は進む、明日の道を。決して一人じゃない、やさしい誰かにきっと会える。「歴史はすべて誰かと築いてきた」



三好・岡田さんおすすめの1曲。言うとおりいい歌詞で、つんくはやっぱいい歌詞書くなぁと。その歌詞にのせた彼女たちの歌に、何度励まされ元気付けられてきたことか!
美勇伝初のバラードはタイトル通りまごころがこもっていて、心に染みわたります。この3人の歌声による感動っていうものは、3人のバランスがうまくないと出せないと思うわけでして、そういう意味でいいグループだなと改めて再確認しました。これからも応援しつ、されつの仲でありたいと思いました。

  • 『チェックアウト』

「ハローおはよ・・・」


首脳陣・・・!?梨華ちゃんの「ハローおはよ」は毎朝聴きたい(笑)僕的に三好ちゃんがお姉さんぽくてヒット。
岡やんがトイレに入ってるってことは、まさか「しないよ」をしてるんじゃ・・・!



考えてみたら、アルバムのレビューを書くっていうのは初でした。
アルバムの流れの私的な解釈と曲の雰囲気を書いてみたんですけど、なかなかうまく書けないものですね。文才がほしい。めっちゃくちゃ時間かかってしまいましたし(もう朝だ)、後半はスタミナ尽きそうやった・・・。こんなの、ごっちんのコンサートレポート以来ですね。


でも自分が楽しいことを書けるというのはホントに楽しいことでした。
また何らかのアルバムでやりたいな、と思っております。新しいアルバムでもいいけど、さかのぼってレビューというのも楽しいかも。


拙い文章をここまで読んでくれた方、ありがとうございました。