スタジオライブでの『ガラスのパンプス』

先日仕事を終え、24時を過ぎたくらいに家に帰り着くと、そこにはハロー!プロジェクトファンクラブのDM(いわゆる青封筒)がありました。中を読むと今秋からの各アーティストのツアーや公演の日程が載っていました。


モーニング娘。松浦亜弥安倍なつみ・・・・しかしそこには後藤真希の名は見当たらない。
わかっちゃいたけど、やっぱりネオってしまうのか?秋の単独ツアーは無しで『ハロ☆プロ パーティ〜!NEO』にこのまま突入なのか?美勇伝ちゃんのライブだって今度こそは絶対絶対行きたかったのにー!!それも無いのか?


ハロ☆プロ パーティ〜!』シリーズも2年目に突入していろいろな意味で定着している感があるけれど、心情的に言うと「パーティー1年は長い」よね。半年であれだけ箇所回ってあれだけ公演回数を重ねれば、あとの半年はそれぞれでも良くないですかね?出演者を変えてやるとか。1年スパンより半年スパンでアーティストを活動させたほうが風通しがいいような気がします。


まぁグダグダ言っちゃいましたが、DMには現時点での予定だけしか書かれていないのでごっちん秋ソロツアーが完全に無いと確定したわけじゃないですけど。覚悟はしておこう。まだ諦めないけど。



さて少し時間が出来たので、録画しておいた日本テレビ「音楽戦士」とテレビ東京ハロー!モーニング」でのごっちんの『ガラスのパンプス』のアクトを観ました。今日はその感想を徒然なるままに書きます。


まずは音楽戦士から。
スタジオライブが始まる直前に「男性ダンサーとの共演はハロプロ初!!」というテロップが出て、改めて「そうだよなー初だよなー」と思っちゃいました。ハローでは初なんですよね。そういう意味では新しいとも言える、「アイドルという枠を飛び越えた」って意味で。逆に「そこらへんのアーティストっぽい」とも言えるのかもしれないですけれどね。最近の流行の、みたいな。


個人的には男性ダンサーとの共演は1つのパフォーマンス形態としてアリだと思ってるので特に「流行の」とか思わないんですが、雑誌FLASHに登場した時のような「エロかっこいい」というキーワードがつくと微妙。そこは「エロかわいい」に乗っていかなくてもいいんじゃないの、と。そういう既製の枠にはめた売り方はある意味手抜きとも思えてしまいます。新しくてピッタリのキャッチコピーを考えろよ、と文句言いたくなるんです(笑)何かものを作る時には、もっとこだわれ。


ともあれこのスタジオライブが視聴者の心の中で「最近流行のエロなんとか路線か」に転ぶか「後藤真希の新しい、スゴイ一面」に転ぶかは、内容にかかってるなと思いました。ハローのファンが見るにしろそうでない人が見るにしろ同じで、「カッコイイ」「なんかすごい」「新しい」と思わせなければあとはだんだんと流行やマンネリとして処理されてしまう。これはハロー全体にも他のミュージシャンにも言えることです。


と後藤さんのこととなると口角泡を飛ばして語りだす僕ですが、内容はそんなことあまり関係なく楽しめました。ていうかけっこう良かったんじゃないのかな。アイドルという枷があるほどこのベタな男性ダンサーとの共演というパフォーマンス形態は斬新なものになるし、そんなことより本人が非常に乗っている。
今回の曲は相当お気に入りなのか、すっごい楽しそうなごっちんごっちんがそうだと自然とこっちにも伝わるもので、なかなかいい温度のスタジオライブになっていたんじゃないかと思いました。


冒頭、男女2人ずつのダンサーに囲まれてイントロを迎える時の姿。開始2コ間で微笑、4コ間後のドンと身体が内から突き上げられたような躍動と共に浮かべる楽しそうでちょっと勝ち誇ったような笑み。その表情に痺れました。グッと引き込まれてしまった。激しいダンスで終始飛び跳ね乱れる髪。その間から除く艶やかな視線。まず何よりもセクシーなのはごっちんのボディより表情でありました。かなり印象的。


ダンスパートでは男性ダンサーの手がごまももを下から上へ撫でていきます。軽く殺意を覚えましたが、「時を感じないくらい ゆっくりすばやくね」あたりで彼は歌を口ずさんでいました。「くらい ゆっくりす」は絶対に歌に合わせて口が動いてたよ。そのくらいすごい真剣なので、彼には好感を持ちました。と思った直後にまたごまももを撫でたので、やっぱり許さん。ごまは許しても俺は許さん。
というのは冗談ですが、男性ダンサーは本当に真剣でダイナミックな動きをしてくれてたので、男女(もしくは男ごま)の絡みも悪い意味でのエロとは感じなかったです。


ダンスに関してもう少し深く突っ込むと、今回の振付はすごいごっちんらしい気がするんですね。正確に言うとごっちんらしい振付の進化系。いつものごっちんらしいバシバシとした動きに、細やかに刻むリズム感を感じさせる動きが加わっています。


常日頃から思っていたんですが、ハローのダンスというのはごっちんに代表されるように手や足を振り回す振付が多い。それはおそらくハローの振付の基本にあるジャズダンスの要素が強いからなのでしょうが、これはハローのダンスの特徴といえます。


例えばBoAさんとか安室奈美恵さんとかは同じダンス系にしても振付の基本となるものが違います。よくは知らないんですけど、大きなジャンルで分けるとストリートダンス的要素が強いっていうか。ビートを伝えるダンスみたいなね。だから動きはわりとリズム重視で、カッチリとしたカッコ良さがあるんですよ。バックダンサーとも、細やかな動きまでが抜群に揃ってるでしょ?


対してハロー、そしてごっちんのダンスを見ると、リズムより動き自体の派手さや華やかさに重きを置いていることがわかります。手足を最大限に動かすことで動きにはダイナミックさが生まれる。
それはやっぱりブロードウェイなどショービジネスの世界で主流となっているジャズダンスの要素が振付に多く含まれているからだし、そうなっていったのは初期ハローの振付していた夏まゆみ先生のベースにジャズダンスがあったからだと思います。そして何より、ハローに合った種のダンスが自然と選ばれていたということでしょう。


蛇足ですが「ジャズダンス」というダンスは他のどのダンスよりも型が無いダンス、とも言えます。まぁ振付師によって非常に「ジャズダンスらしく」なったり「型を崩した自由な動き」になったりしますが、そういうことも含めてハロー!プロジェクトの振付の根底にジャズダンスがあるということは適切だと思いました。


あまりダンスについて語ると無知によるボロも出るのでこの辺にしておきますが(笑)今回の『ガラスのパンプス』は今までのハロー系の動きにさらに細やかな振付も加えることによって、より激しさを増した一歩進んだ振付だと僕は感じました。いつもより振付の手数が多くて細かい。だから情熱的な印象も強くなり、見てるこっちまで「Dance with me baby baby 踊りましょうよ」となるわけです。


あとはやっぱり歌ですよね。今までいろいろな歌を歌ってきたごっちんだけあって、一見スタンダードセクシーに聴こえるこの歌にもさまざまなテクニックを感じることが出来ます。吐息まじりの艶のある歌い方、繊細かつさり気ない裏声の使い方、いつもの突き抜けるような高音での声、最近さらに太くなった長音での声。これをあの激しいダンスと同時にやってのけるんですから、ごっちんもかなりレベル高くなってますよ。


『音楽戦士』においてのパフォーマンスは圧巻でした。次に『ハロー!モーニング』でのパフォーマンス。
音楽戦士と違ってハロモニは観客がいないせいか、ごっちんのテンションも比べて低め。とはいってもそこまで低いわけではなかったですが、音楽戦士と続けて観たのでイマイチ物足りなかったのは事実でした。


毎回毎回ハロモニのスタジオライブで思うのは、セットが良くない、カット割りがよくない。予算の関係上でいつもハロモニのカラフルなセットが丸出しなのがどうもいただけないんですよね。状況に応じてホリゾント幕くらい吊ってやってくれ。あと周囲の柱もパフォーマンスを映すのに邪魔です。そして柱があるならあるなりにカット割りを考えてほしい。いつもパフォーマンスのダイナミズムを損なうようなカット割りに感じるのですが・・・僕の気のせいかな?毒舌かな?


このハロモニのスタジオライブに関連して少し話題はずれるんですけど、コンサートでの『ガラスのパンプス』のパフォーマンスを観た人がテレビでのパフォーマンスを観て「伝わってこない」という感想を抱いてしまうことに関して。


基本的には「それは当然のことなのかもしれない」と僕は考えてます。コンサートどおりに伝わってしまうとコンサートというものの魅力は薄れてしまう。だからテレビでのパフォーマンスがコンサートどおりに伝わらなくてもいいと思うし、同一のものとして見ることは出来ないと思う。


ただ一方で「コンサートに近い興奮を抱きたい」と思うのも人情。すっごいわかる。そうじゃねぇんだよ!って思いますもんね。でも、だからこそテレビのスタジオライブには、コンサートには無い、それにしか出せない魅力を求めたいんですよ、僕は。だから厳しくなってしまう。


歌はナマモノですから、コンサートでの興奮にテレビが敵うわきゃないんですよ。でもテレビにはクローズアップやカット割りやセットがある。パフォーマンスの濃い部分を抽出する力がある。スタジオという狭い空間、ブラウン管という閉じ込められた環境を逆手にとって「そのアーティストや楽曲の濃い世界観」を形作るツールだと思うんです。でもそれをやらないのよ、いっつも。予算が?それだけじゃないと思いますけど?


あとはごっちん自身のモチベーションの問題ですかね。ごっちんはいわゆる「ライブ向き」な人間。テレビの役者というより「舞台専門の役者」みたいなところがあります。だから必然的にスタジオライブは「(『演技者。』みたいな)テレビでやる芝居」のような感覚になるし、「CDは噺家が客抜きで録音した落語のテープ」みたいな感覚になると思う。それは聴いているこっちもそういう感覚になる。


そこをどうしていくかが今後のごっちんの課題かなと。
でも今回のスタジオライブのパフォーマンスは良かったですけどね。いい温度いいレベルで出来ていました。コンサートでは未体験で、テレビで初めて歌って踊ってを見た僕にとっては少なくともそう思えました。



さぁ!そろそろCDの方を買ってきます。
モテる男は「予約して」買う、この余裕がモテオヤジの秘訣ですよ。



【追記】
モテる男の余裕をぶちかましてCD屋に行ったらもう閉まってました。
げぇぇ超カッコ悪い!!


ちくしょう、もう少し遅くまでやっててくれよ・・・。明日におあずけですか、そうですか。いいもん、粋なちょい悪オヤジはがっつかないんです。フライングは小僧のすること。僕はイケメンでモテモテなので発売日に買うんです。ああ、あの時1本早い電車に乗ってれば滑り込みセーフだったのにな。