尊敬

もういっちょ、舞台関係で恐縮なんですが。
ちょいと専門的な話もするので読み飛ばしや斜め読みして下さっても結構です。


僕が舞台をやっていたのは前述しましたが、半分は身体表現やダンスのようなことやってたんですよ。特に活動停止前の3年間くらいはそればっかやってました。台詞のあるストレートプレイ(いわゆるお芝居)より身体表現の方に興味がいってました。カテゴリーに分けるとコンテンポラリーダンスとかフィジカルシアター系。


で、当然ダンスの舞台も観に行っていたんですけど、ダンスの公演情報に関して詳しい雑誌というのがなくて難儀してた覚えがあります。大きい公演はぴあとかシアターガイドとかにも載っているんですけど、小さい公演だとあまりない。公演を観に行くともらえるチラシか、あとはダンサー・パフォーマー仲間の口コミで情報を得てました。ちょっと忙しくて舞台観に行けないと、もうどんなのやってるのかわからなくなるっていう。


今日たまたま見つけたんですけど、今年創刊されたばかりの雑誌で『DDD』(dancedancedance)というダンス雑誌があります。
ダンスの専門誌というと、だいがいが社交ダンス、それかフラメンコとかバレエとかが多く、コンテンポラリーダンスについてクローズアップしている雑誌っていうのはあまりなかったんですね。でもこの雑誌はコンテンポラリーダンスを中心にバレエ、モダン、社交、フラメンコ、果てはストリートダンスまで手広くカバー。公演情報も海外のまで載っている充実ぶり。


雑誌のコンセプトに「ダンスを一般の人のライフスタイルに浸透させたい」みたいな意図が感じられるので、常々「ダンス業界ってなんて内輪なんだ!」と生意気にも息巻いていた僕にとっては、期待度大の雑誌です。


そこの連載コラムに『コンドルズ勝山康晴の「偽善者日記」』というコラムが連載されています。
『コンドルズ』というのは知らない方も多いと思いますが、ダンス界ではかなり有名なグループでありまして、近藤良平さんという方が主宰されているダンスカンパニー。ちなみに近藤さんは映画の振付や『誰でもピカソ』出演、新しいところでは教育テレビ『からだであそぼ』内の1コーナー『こんどうさんちのたいそう』が有名であります。
その『コンドルズ』のプロデューサー(兼・ダンサー)勝山康晴氏の連載コラムなんですね、これ。


ハイ、ここまでが私見を含めた説明と前フリ(長い)
そして、ここからがハロー(笑)


そのコラムでなんと、『Berryz工房』のキャプテン・清水佐紀さんについて触れられている部分がありました。
僕は『Berryz工房』に関してはあまり興味が湧かない(個人的な理由はありますけどそれはまた今度)せいもあってあまり情報など追わないんですが、こんなところで触れられていてびっくりしたし、一視点として面白いと思ったのでここに抜粋しようと思います。
最近抜粋や書き起こしばっかりで申し訳ない(笑)でもこれも意外と時間かかるのよ。

偽善者日記2005−2006
DDDスペシャル第参弾
スッペシャル ジェネレ〜ション
コンドルズプロデューサー勝山康晴


(前略)


先日、コンドルズでラジオ出演があって、文化放送に収録に行ったんだ。でね、そこで、僕憧れの「Berryzベリーズ)工房」に逢っちゃったんだよ!知ってる?Berryz工房モー娘。の妹分の8人組。で、メンバーは小学校高学年から中学生。この前の夏くらいに『スッペシャル ジェネレ〜ション』でちょいブレイク。もう、リアルかわいいんだよ。あ、ロリコンって思ったでしょ。残念ながら僕はBerryz工房の中の清水佐紀さんのファンだから。清水さんはもう中学三年生だもんね。どーだ、ざまあみろ、って、あれ、充分ロリコンか。


清水さんはBerryz工房のキャプテンなんだけど、なんか地味なんだ。あからさまに言えば、メンバーの中ではルックスもスタイルも一番良くないかも。でも、初めてBerryz工房を生で見た時、ビビっと来たんだよね。


時は西暦2005年1月。場所は中野サンプラザ。2222人超満員。出演者は40人以上。超一級のアヤヤもゴマキも出演。でも清水さんはそん中で一番目立ってた。僕には目立って見えた。僕はでかい会場のコンサートに行ってオーロラビジョンみたいのがあっても、絶対にそれを見ない。だってライブなんだから。テレビを見に来てるんじゃないんだし。dから、ステージが遠いと顔なんてよく分かんないんだ。でも、その分、オーラは見える。はっきり見える。で、清水さんのオーラは圧倒的だったんだよ。僕の席は一階席かなり後ろの方。遠い。でも清水さんのオーラは距離なんて関係なかったんだ。


なぜかと言うとね、たぶんね、清水さんは踊ることが全身全霊で大好きだからなんだよ。きっと清水さんの肝臓とか小腸とか十二指腸とかまでもが踊りが大好きなんだよ。ガラカメの主人公北島マヤが白目になって演技に全身全霊没入してしまうのと同じくらいに、清水さんは踊りに没入しちゃうんじゃないかと思う。そして彼女が踊る時、その「踊り大好きビーム」が全細胞から放出されてるんだ。その時、彼女の全細胞が感じている至上の幸福感が完全開放されてるんだ。かっこつける暇なんてないよね。そんなダサいことどーでもいいもんな。最強だよ、清水さん。


って話を新宿区高田馬場にある居酒屋「わっしょい」で延々二時間くらい、コンドルズメンバーの藤田君にしていたら、「どーでもいいけど、『さん』付けはマズイでしょ?中三でしょ」と、まるで、僕をアイドルオタク扱い。しかし。藤田君よ、今、僕が「世界で一番尊敬するダンサーは?」って聞かれたら、「Berryz工房の清水さん」って即答するんだよ。


で、僕はそんな清水さんに文化放送の廊下で遭遇しちゃったわけだよ!いや、「遭遇」は適切じゃないな。「邂逅」だな。気分的に「邂逅」くらいのたどたどしい大仰な画数は欲しい。なんにせよ千載一遇どころか億載一遇のチャンス。思いの丈をぶちまけるチャンスだ。が、しかし。あまりにも高鳴った鼓動と完全にかっぴらいた瞳孔は、僕に殺人鬼並のテンションをもたらしていたのだろう。すれ違う瞬間、彼女は1ミクロンの隙も見せることなく、僕を少し避けるようにして、通り過ぎていったんだ。


清水さん、次に邂逅した時には、いいですか?


告白していいですか?


「清水さんは世界で一番尊敬するダンサーです」って。


*フラックス・パブリッシング刊『DDD』VOl.3
 『コンドルズ勝山康晴の「偽善者日記」』 より一部抜粋


ハイ、抜粋してきたわけですけども。
もうね、読んでもらえれば分かると思うんですけど。
やっぱりそういうことなのよ、ハローの面白さって。この方はプロの世界でやっていっている方ですけど、そういう人から見てもハローって面白いわけですよ。それで中学三年生の女の子にだって尊敬の念を抱いちゃうような圧倒的パワーがある。


僕も舞台やっている時に「ハローのメンバーってすごいよなぁ・・・」って常々思ってたんですよね。ま、僕はとうとうプロにはなれなかったんだけど(笑)そういう世界の人から見てもすごいというのはとてもよくわかります。


理屈じゃないんですよね、なんか。
もう、見て、感じろ、みたいなね(笑)


こういうガチな精神が感じられるうちは、ハローのファンやめろって言われてもやめられないだろうな、と思いました。